ハモニカ便り コアアートスクエアからのお知らせ
2023年06月21日
たくさんのよき思い出を
今年の夏は、どんな夏になるのだろう。
本格的な夏を前に、そんなことをぼんやりと考えます。
振り返れば既に70回もの夏をやり過ごしてきたのですから。
ここ数年の夏はともかく、思い起こされるのは子どもの頃の夏のことばかり。
夏休みには親たちに引率されて、子ども会の仲間と中津渓谷と呼ばれる景勝地まで数キロの距離を歩くのが恒例でした。
大きな西瓜(すいか)や透き通ったサイダーの小瓶の詰まったケースを背負って、照りつける陽射しの中を汗を拭き拭き歩きます。
石小屋とも呼ばれて、河原には人の背丈以上の大きな石がゴロゴロと転がる特異な場所でした。
丹沢の山塊から湧き出す水を集めて、轟々と落ちる大滝の下流はひんやりとした水が豊かな水量で流れます。そこに西瓜やサイダーケースを沈め小一時間ほどすると西瓜もサイダーもすっかり冷えています。
親子一緒になって西瓜割りを楽しんだ後、巨石の上に仲間たちと陣取って真っ赤な西瓜にかぶりつくのが最高の楽しみでもありました。
草っ原での野球、緑蔭での花一匁、蝉時雨の中のかくれんぼ、石蹴り、缶蹴り……。
子どもの頃の夏は楽しい思い出ばかりです。
さて、今年の夏は。
世界に目を向ければ気がかりなことばかり。どうかいい思い出がたくさん心に残る夏であってほしいと心から願います。